後宮鳳凰伝 愛が行きつくその先に
「今日はそなたに贈り物があるんだ。もちろん、楊静妃にもね」
喩良妃は嬉しそうに殿下に抱きつき、殿下も愛おしそうに抱き返している。
殿下の寵妃というのが分かる。だが、玲雲には分からないことがある。
(殿下は姐姐を愛しているのに、なぜ喩良妃の方が寵愛されているの……?)
確かに徐美凰は寵愛されている。だが、王妃や喩良妃、楊静妃の次にだ。
「扇子を贈ろうと思ったんだが……海儸はもうあるようだから、郭御華にあげようか」
「で、殿下っ!」
殿下は喩良妃が手に扇子を持っているのを見て、贈ろうとしていた扇子を玲雲の方へ渡そうとした。それに驚いた喩良妃は慌てて声を掛ける。
「どうした、海儸?」
「殿下からもらえる物でしたら、なんでも嬉しいですわ」
「だが、同じ物を二つもいらないだろう?それに、これをあげたとしても、その扇子はどうするのだ?」
「で、でしたら心配はございませんわ!これは美しい柄ですので郭御華が欲しがっていましたの。あげようと思っていたので、ちょ、ちょうど良いですわ。ほ、ほら!あなたが欲しがっていた扇子よ」
「こ、こんな素敵な扇子をいただけて光栄ですわ……か、感謝いたします」
喩良妃からの圧に、無理やり話を合わせる。
「そうかい?なら、予定通りにこれは海儸に贈ろう」
「感謝いたしますわ、殿下」
喜んでいる喩良妃をよそに、玲雲は返ってきた扇子を眺めながら、ある考えに辿り着く。
喩良妃は嬉しそうに殿下に抱きつき、殿下も愛おしそうに抱き返している。
殿下の寵妃というのが分かる。だが、玲雲には分からないことがある。
(殿下は姐姐を愛しているのに、なぜ喩良妃の方が寵愛されているの……?)
確かに徐美凰は寵愛されている。だが、王妃や喩良妃、楊静妃の次にだ。
「扇子を贈ろうと思ったんだが……海儸はもうあるようだから、郭御華にあげようか」
「で、殿下っ!」
殿下は喩良妃が手に扇子を持っているのを見て、贈ろうとしていた扇子を玲雲の方へ渡そうとした。それに驚いた喩良妃は慌てて声を掛ける。
「どうした、海儸?」
「殿下からもらえる物でしたら、なんでも嬉しいですわ」
「だが、同じ物を二つもいらないだろう?それに、これをあげたとしても、その扇子はどうするのだ?」
「で、でしたら心配はございませんわ!これは美しい柄ですので郭御華が欲しがっていましたの。あげようと思っていたので、ちょ、ちょうど良いですわ。ほ、ほら!あなたが欲しがっていた扇子よ」
「こ、こんな素敵な扇子をいただけて光栄ですわ……か、感謝いたします」
喩良妃からの圧に、無理やり話を合わせる。
「そうかい?なら、予定通りにこれは海儸に贈ろう」
「感謝いたしますわ、殿下」
喜んでいる喩良妃をよそに、玲雲は返ってきた扇子を眺めながら、ある考えに辿り着く。