死神キューピッド
「……あのさ、いつか私がおばあちゃんになっても、虹太は今のままの姿なのかな?」


ぼんやりとその姿を想像して、打ち消すようにぶんっと頭を強くふる。


さすがにそれは、残酷。


しわしわの私と、若くてぷりぷりの幽霊虹太。



「大丈夫だよ。きっと、イケオジ幽霊の俺と一緒に手つないでるよ」


「そっか、そうだよね。ん、それなら楽しみ」


「楽しみ?」


「だって、いつか私がしわしわのおばあちゃんになっても、虹太は私の隣にいてくれるんでしょう?」


「柚の最期の瞬間まで、俺は一緒にいるよ」


深い瞳で、切なげに虹太が目を伏せる。


「今夜も眠る時に一緒にいてくれる?」


「ん、降り注ぐキスと濃厚なハグも、おまけにつけて」


「ホントに、一緒にいてね? 目が覚めても、一緒にいてね?」


「約束する。大丈夫だよ、任せとけ」


< 79 / 117 >

この作品をシェア

pagetop