死神キューピッド
コンビニ店員 その後
キツネにつままれたような思いで、病院をあとにする。


あの男の話を、信じたわけじゃない。


けど、あのときの言葉が気になって、半信半疑で渡された住所を訪ねると、そこにはたしかに実父、高田平四郎の住んでいるボロアパートがあった。


ただ、高田平四郎は死んではいなかった。


死にかけて病院に搬送された高田平四郎を見舞って、今はその帰り。


昨夜から降り続いていた雨はすっかり上がり、晴れ間からのぞく太陽に目を細める。


どういうことだ? 


いきなりバイト先にやってきたあの男の話をすべて信じたわけじゃない。


けど、あいつの口調から、もう高田平四郎はこの世にいないと理解した。


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