モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「これより召喚式を行います。皆さんも知っている通り、我々が使う魔法は精霊界に住む精霊の力で……」

 学院長が魔力についての話を長々続ける。先ほどレオに聞いた話を詳しくしたものだ。

 何度も聞いている内容なのか、生徒たちの緊張感が緩和したが、ベアトリスは真剣に耳を傾けた。

(精霊は普段は異界に住んでいるのね。守護精霊になると、呼びかけに応じて姿を現し力を貸してくれるようになるんだ)

 ベアトリスがひとり納得している間も、儀式の流れなどの説明が続く。そんな中気になったのは、学院長の隣にいる白地に薄緑色の装飾がされたローブを羽織った壮年の男性だ。

 明らかにひとりだけ服装も醸し出す雰囲気も違っているのだ。

 誰なのだろうと観察していると、彼は聖なる樹の女神に仕えるフィークス教のコスタ司教で、彼がこの召喚式を取り仕切ると説明があった。

 フィークス教とは、ダールベルク王国の国教で、枢(すう)機(き)卿(きょう)を頂点に多くの司教、司祭がおり、全国各地で貧しい人々の救済や布教活動を行っている団体だ。

(それにしても、前世ではこんな儀式があるなんて知らなかったし、考えたこともなかったわ)

 平民には魔力持ちが滅多にいないからあたり前なのかもしれないけれど。


 すべての説明が終わると儀式が始まった。
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