モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
(記憶にないけどそんなことを言ってたの? 私ってば本当に感じ悪すぎるし偉そうで恥ずかしい。でも、だとしたらおとなしすぎるのは怪しまれるかも)

 どう返事しようかと思っていると、ユリアンがあきれたように仲裁してきた。

「ふたりとも静かにしろ」

 ベアトリスがこれ幸いと引き下がると、ツェザールはやや不満そうにしながらも口を閉ざし、席に着いた。

 ユリアンの隣がベアトリスで次がゲオルグ、ツェザールという、かなり気まずい席順だ。

 しばらくするとベアトリスをいない者として、三人が会話を始める。

 嫌でも話の内容が聞こえてきてしまいどうしようかと思ったが、彼らもベアトリスに聞かれて困る内容は口にしないだろうと、ひたすら気配を消して空気になるのに徹していた。

「ユリアンはすごい精霊を召喚しそうだな」

 大きな声はツェザールのものだ。

「氷系の上位精霊なのは確定だろうな」

 淡々としたゲオルグの発言。

(ユリアン王太子の魔力は氷属性なんだ。本人の冷たい雰囲気に似合ってるな)

 ベアトリスは炎の魔力。もともとの苛烈な性格にお似合いだから、魔力と性格は関係があるのかもしれない。

 そんなことを考えていると、壇上の端から次々と人が現れて綺麗に整列した。

 生徒たちがそれまでのおしゃべりをぴたりとやめ、講堂は怖いほどの静けさに包まれる。

 中央の白髪頭の老人が前に出て挨拶を始めた。彼は魔法学院長だ。
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