モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
恐る恐る振り返ると、自席に座るユリアンがベアトリスを見上げるようにしていた。
鋭い眼差しにどきりとする。
ここ最近は隣の席であるものの関わりなく過ごせていたため、油断していた。
「話がある。少し時間をもらえるか」
「……はい」
嫌に決まっているが正直に言えるはずがなく、答えははいの一択だ。
「では場所を移そう」
ユリアンが立ち上がり颯爽と教室を出ていく。いつの間にか彼のうしろにはまるで影のように側近ふたりが付き添っていた。
(三対一が確定だわ)
いったいなにを言われるのだろう。
(あ、もしかしたらついに婚約解消するって言われるとか? それだったらうれしいかも)
ベアトリスは不安と期待を胸に、ユリアンたちの後を追った。
「座ってくれ」
連れてこられたのは、学院内に用意された王族用の部屋だった。かつてのベアトリスは王太子の婚約者だからと強引に押し入っていたが、いい思い出はいっさいない。
(ユリアン王太子は私がいるときは、いつも嫌そうな顔をしていたものね)
それに気づかないで平然としていた以前の自分はすごいなと、すっかり小心者になってしまったベアトリスは内心ため息をついた。
「話というのは五日後に行われる討伐についてだ」
「はい」
ベアトリスはうなずきながらも、ますます気が滅入るのを感じていた。
討伐とは、授業の一環として行われる魔獣退治だ。
鋭い眼差しにどきりとする。
ここ最近は隣の席であるものの関わりなく過ごせていたため、油断していた。
「話がある。少し時間をもらえるか」
「……はい」
嫌に決まっているが正直に言えるはずがなく、答えははいの一択だ。
「では場所を移そう」
ユリアンが立ち上がり颯爽と教室を出ていく。いつの間にか彼のうしろにはまるで影のように側近ふたりが付き添っていた。
(三対一が確定だわ)
いったいなにを言われるのだろう。
(あ、もしかしたらついに婚約解消するって言われるとか? それだったらうれしいかも)
ベアトリスは不安と期待を胸に、ユリアンたちの後を追った。
「座ってくれ」
連れてこられたのは、学院内に用意された王族用の部屋だった。かつてのベアトリスは王太子の婚約者だからと強引に押し入っていたが、いい思い出はいっさいない。
(ユリアン王太子は私がいるときは、いつも嫌そうな顔をしていたものね)
それに気づかないで平然としていた以前の自分はすごいなと、すっかり小心者になってしまったベアトリスは内心ため息をついた。
「話というのは五日後に行われる討伐についてだ」
「はい」
ベアトリスはうなずきながらも、ますます気が滅入るのを感じていた。
討伐とは、授業の一環として行われる魔獣退治だ。