「I'm Kota」って言っただけなのに（泣）

そう期待を抱きながらマリンちゃんを見る。だけど、彼女の顔からは何故か笑顔が消えていた。それどころか不安そうな顔を見せたと思うと、ソファから立ち上がってリビングを出て行く。

「えっ……」

呆然とする俺を、ホストファミリーのお父さんとお母さんもどこか驚いたような顔をしていた。



微妙な空気のまま留学一日目が終わり、二日目の朝。マリンちゃんはあれから顔を一度も合わせてくれなくて、お父さんたちが申し訳なさそうな顔をしているけど、二人もどこか俺を警戒してるような雰囲気を感じる。一体何なんだ？俺、何かしたっけ？

言葉が通じる日本なら、笑っておどけられたかもしれないけど、言葉も文化も違う国でこれは正直キツい。鋼のメンタルとか言えない。泣きそう……ぴえん……はもう古いか。

「行ってきます」

ホストファミリーに挨拶をして、学校へと向かう。スウェーデンの学校はどんなのだろう。どんな美人がいるのか楽しみだ！