敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「ありがとう、みんな」
 心からの感謝を伝え、一拍の間を置いて再び口を開く。
「それでね、さっきの私の側にいてくれるって話だけど、実は輿入れが決まったの。二週間後にはガルニア王国に向かわなくちゃならなくて。向こうにも、一緒にきてくれる?」
《もちろん(です)(だ)(じゃ)!》
 勇気を振り絞った問いかけに、四人はさも当然とばかりに揃って首を縦に振った。
 ……あぁ。恵まれてるなぁ、私。
 みんなには輿入れと伝えたけれどその実態は人質で、ガルニア王国でどんな扱いをされるかわからない。
 でも、私には精霊のみんながいる。だから、どこ行っても大丈夫。たとえ望まれない妃として冷遇されても、捨て置かれても、私はやっていける。
 ……というよりも、放っておかれた方がむしろ気楽だわね!
「ふふっ。みんなが一緒なら百人力だわ。ガルニア王国でもよろしくね」
 周囲を浮遊する精霊のみんなに微笑んだ。
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