逃すもんか
東京駅の上越新幹線と東北新幹線の改札前に
平岡さんが待っていた。

「美桜〜。ゆかりちゃん!ここだよ」と手を振ってくれた。

「柊一さん、早かったわね。」

「うん。早く皆さんに会いたくてさ〜」
私と美桜さんはクスクス笑った。

改札で「ゆかり〜!」と手を振るお父さん。
ニコニコしているお母さん。

「お疲れ様!お父さん、お母さん、こちらは史弥さんと同期入社の平岡さん。
そして平岡さんの奥様で私の同僚だった美桜さんです。」

「初めまして。ゆかりの父と母です。
平岡さんのお話は史弥くんからも聞いています。
勘違いな娘がご迷惑をお掛けして悪かったね。」

「いえいえ。私は平岡 柊一と申します。
そして妻の美桜です。
史弥とゆかりちゃんのおかげで私たちは結婚できました。
2人には感謝しております。」

「初めまして、ゆかりの母です。本当に最後までお世話になり、ありがとうございます。」

「中島さん、平岡くん!」と史弥さんのお父さんとお母さんも改札口から出てきた。

「あ、お義父さん。お義母さん。」とゆかりもニコニコ。

平岡さんの誘導で先にホテルへチェックイン。
< 258 / 268 >

この作品をシェア

pagetop