逃すもんか
平岡さんはホテルの近くのお店を予約してくれていた。

高級そうな個室のお店。
「みなさん。高級そうな和風のお店ですが、
居酒屋さんです。」

「え!居酒屋〜?」とウチのお父さんが叫んだ。

「はい。居酒屋には見えないでしょう。
だから好きなものをジャンジャン注文しますね。
まず、飲み物をこのタッチパネルで注文しますので
言って下さい。とりあえず全員ビールで大丈夫ですか?」

「あ、平岡さん。ウチのお母さん飲めないので、緑茶か、烏龍茶でお願いします。」

「すみませんね。平岡さん。」

「大丈夫ですよ〜。烏龍茶1、ビールが6ピッ!
あとはいろいろと勝手に注文しますね。」
凄い早わざでタッチパネルを操作する平岡さん。

飲み物が運ばれてきた。
「それでは、乾杯の音頭を大崎さんのお父さんお願いします!」

「ゆかりちゃん。史弥と結婚してくれて本当にありがとう。
これからフランスへ行っても夫婦仲良く支え合って頑張って下さい。
ゆかりちゃんと史弥の更なる発展を願って、
乾杯!」

「「カンパーイ」」カチン♪パチパチ。
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