逃すもんか
ラグビー観戦
観光牧場の帰りに決まったラグビー観戦。


翌月の6月に外国との試合があるらしく、
平岡さんのお父さんがチケットの予約をしてくれた。

その試合の説明やオレたちの待ち合わせ場所や時間を決める為に、
金曜日の会社帰りの4人で居酒屋へ。

「みんな、親父がチケット予約するついでに、
俺たちの分も予約してもらったんだ〜。
チケットは当日渡すね!

あと…本当に申し訳ないんだけど……」

となかなか言い出さない平岡さん。

「平岡さん。何? 言ってみてよ。」とオレが言うと

「本当にゴメン!親父に予約頼んだらさ〜親父とお袋たち6人の次の列になってて……」

「?ゴメン平岡さん。
オレよくわからないんだけど〜
要は、お父さんたちの真うしろの席って事?」

「うん…ゴメン…」

「別に大丈夫ですよ。ねぇ、ゆかりちゃん。」

「ハイ!ルールわからないから、平岡さんのお母さんに聞けば良いかなぁ」

「ギャハハ」とオレが笑う。

「親父達には後ろを振り向くな!って言っておくからさ〜」

「別にそんな事気にしないでラグビーの試合を楽しみましょう! 
こんないい試合を直接見ることないからワクワクするぅ〜」といつになくはしゃいでいる北野さん。

平岡さんだけが浮かない顔をしていた。

「どうしたんですか?平岡さん。」

「あの親父とお袋たち…
なんだか嫌な予感しかないんだよなぁ…」

「北野さんもスゲェ喜んでるし、明日の試合を楽しみましょうよ。ね!
オレにもルール教えて下さいね!」

「うん…」

「平岡さん!大丈夫ですか?」と中島さんにも声をかけられた平岡さん。

「平岡さん。試合楽しみですね!予約していただいたお父さんに宜しくお伝え下さいね。」

「はい………あ〜!!!
こうなったら【野となれ山となれ】だ! 
みんなで楽しもう!オ〜!」といつもの宇宙人になった平岡さんだった。
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