逃すもんか
「こんにちは!平岡さん。」とオレ。
「平岡さん、みなさん。こんにちは!」と中島さん。

「アラ〜。また可愛らしいお嬢さんが増えた〜」

「お袋。うるさいよ。父さんたちに紹介します!
俺の同期で誠二と同じ歳の大崎 史弥さん。
こちらは本社の北野さんと同じ部署の中島 ゆかりさんです。

そして、俺の両親と、両親と同じ大学の同窓の白石ご夫妻と本郷ご夫妻です。

「始めまして!柊一がいつもお世話になってます。柊一の父と母です!」

「柊ちゃんのお隣さんで〜す。白石で〜す」

「ウチは白石の反対側のお隣さんの本郷です!
これからも宜しくね!」

オレたちもお辞儀をしてから、オレ、北野さん、中島さんの順番で自己紹介した。

するとお母さんたちが
「柊ちゃん!大崎さんはバッグ作ってるの?」

「ああ、今年から新人の指導もするぐらい仕事できるんだ。
バッグも毎日丁寧に心を込めて作ってるんだ。」

「すごいわねぇ〜」平岡ママ。

「私たちなんてお買い物バッグくらいしか買えないもんねー」白石ママ。

「柊ちゃんの会社の定番のバッグは一生使えるもんねぇ。そんなバッグを作ってるのね大崎さんは……」本郷ママ。

「そして、その一生使えるバッグのオンライン販売部で働いているのが、北野さんと中島さんだよ」と平岡さん。
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