純・情・愛・人
3-3
待ち合わせはマンションから車で十五分ほどの、県道沿いにあるファミリーレストランだった。ランチの混雑を外したのか、ゆっくり朝寝坊か、十三時半の約束。

テーブル席の端末でオーダーを済ませ、紙おしぼりのパッケージを破る朝倉君は、欠伸雑じりに愛嬌を覗かせる。

「休みに付き合わせて悪りー」

午後は気温も上がった。膝丈のハーフパンツにサンダルですっかり夏仕様の彼。サングラスが頭に乗り、上は薄手の長袖パーカーを羽織っていたから、宗ちゃんみたいに墨を入れてるのかもしれない。

このあと実家に帰って大掃除に取りかかる気満々のわたしは、髪もバレッタでまとめて、やっぱりラフなパンツスタイル。

「ううん。朝倉君とご飯食べる日が来るなんて思わなかった」

「生きてりゃイロイロあんだよなぁ」

不思議な縁だ。朝倉君と高校が同じだったのもクラスメイトになったのも偶然で、広くんと彼が知り合ったのも偶然。偶然できた結び目が“今”を連れてきた。

「コウキが岸川(うち)にイソーローしたおかげで園部に会えてよ、退屈しねーわ」

ニンマリ笑い、ドリンクバーから取ってきたコーラをストローで半分ほど飲み干す。

「そーいや家出たんだってなー。あのマンション、宗吾さんのか?」

「!??」

釣られるように口を付けた炭酸ソーダに、むせそうになった。
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