愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
(碧唯くんが、事故? 嘘でしょ……)
胸の鼓動がスピードを上げていく。
テレビの前で茫然と立ち尽くしていると、手にしていたスマートフォンから南を呼ぶ声がした。気が動転して通話を切っていなかったみたいだ。
《南? 聞いてる?》
「……千賀子、どうしよう」
《小西くんに電話してみるから。一回切るね》
千賀子との電話を切り、その場で放心する。
(事故ってなに。どうして……)
なにも考えられず、近くにあった椅子に崩れるように腰を下ろす。
(そうだ、碧唯くんに電話!)
思い出したように彼の電話番号をタップしたが、無情にも留守番電話に切り替わってしまった。
「南さん、気分でも悪いですか?」
近くで食べていた同僚に声を掛けられたが、首を横に振る以外にできない。言葉も発せないほど動揺していた。
どれくらいそうしていたのか、スマートフォンが再び振動する。