愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「子どもができたら離婚してもいいって。ロマンジュでそう言ったでしょう?」


碧唯は盛大にため息をつきながら首を横に振った。


「あれは南に結婚を了承させるため」
「……了承させるため?」
「なにしろ俺の片想いは年季が入ってる。南から男ができたと知らされたときに好きだと気づいたくらいだから、相当昔だ」
「えっ、そんなに前から!?」


南はまだ大学四年生だった。そのときから好きでいてくれたのだとしたら、かれこれ七年近くになる。


「引いたか?」
「引かないけど、どうして言ってくれなかったの? っていうか、私が失恋して碧唯くんのマンションに泊まったときだって、指一本触れなかったのに。あれはあれで私ちょっとショックだったんだから。女として見られていないんだなって」
「失恋のどさくさに紛れて体を奪うなんて卑怯だろ。それにイタリア赴任も決まっていたから」


南を想うがゆえに手を出さなかったと知り、胸がむず痒い。
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