愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「こら、陽向。南は俺と結婚したんだ。横取りは許さないぞ」
「あおいにいちゃんと? そうなの?」


しゅんと眉尻を下げ、南に聞き返す目はとても残念そうだ。


「ごめんね、そうなんだ。碧唯お兄ちゃんと結婚してるの。さっき陽向くんが指輪を運んでくれたでしょう? それが結婚の証なのよ」


左手の薬指に輝くリングを陽向の顔の前に出す。


「けっこんのあかし? じゃあ、ぼくもしょうらい、そのわっかをかわいいこにあげる」
「そうね」
「陽向、誰彼かまわずにあげたらダメだぞ? ここぞというときに、ただひとりにだけだ。いいな?」
「うん! ひとりだけ!」


陽向は両方の手で人差し指を立て、その場でぴょんぴょん飛び跳ねた。
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