愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
パパとママは仲良しがいいでしょう?

どうやら時間の経過は、幸せの度合いで速まるようだ。

挙式から七カ月が経った。
またたく間、超高速……速さを表す言葉の中に〝幸せな時間〟を付け加えたいと考えるほど、碧唯は満ち足りた日々を過ごしている。

眠りにつく瞬間に南が隣にいる和らぎ、ふと真夜中に目覚めたときに彼女の体温がそばにある安堵、朝焼けの空をふたりで見られる喜び。
そんな些細な瞬間は、碧唯にとってなによりの幸せである。

休日の朝、ベッドでまどろんでいると、シャワーを浴びてきた南が肩を上向きの矢印のように落として碧唯の隣に潜り込んできた。
眉をハの字にしたしょんぼり顔の南からシャンプーが香る。


「どうした?」
「……また来ちゃった」
「来たってなにが?」


そう聞いてから息をのむ。たぶん〝アレ〟だとピンときた。
妊活している夫婦、特に妻にとってもっとも歓迎しない客、生理である。


「もーっ、どうして毎月きっちり予定通りにくるの」
「そう焦るな」
「焦るよー。入籍してもうすぐ一年になるのに……」
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