愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

親友だからこそ、厳しい言葉で結婚とはなんたるかを説かれるのではないかと。


《愛し愛されて結婚するのが一番だとは思うよ? でも友達同士なら穏やかな結婚生活が送れそう。っていうか瀬那さんが相手なのに、好きにならずにいられるほうが不思議。あんなに素敵な人、そうそういないもの。優良株もいいところよ。子どもができたら離婚もありなんて、世の女の子たちに恨まれても知らないんだから》


恨まれるのはちょっと……と怖気づいても、もう遅い。


「恋愛感情がなかったのは、ずっと友達だったから……」


たった一度だけ、酔って碧唯のマンションに泊まったことがあったが、彼とはなにも起こらなかった。手を出そうと思えばできる状態の南に、碧唯は指一本触れなかったのだ。
それは南を女として見ていない証でもある。


《〝その〟友達と子づくりするんだ?》


あからさまに強調しつつ含ませたように言う。


「……意味深に言わないで」
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