なぜか推しが追ってくる。




『ええ~! この人めっちゃイケメン! こんなかっこいい人何で今まで知らなかったんだろう』

『調べてみたらドラマの脇役なんかで結構出てるみたい』

『天羽恭くん……これは沼……』


といったようなコメントが、舞台を見に来てなかった人からもたくさん寄せられた。


それを見てわたしはもうすんごいニマニマしていた。


そうそうその調子。

全世界の全人類知ればいいんだよ。



わたしの推し……

……兼、彼氏の素晴らしさをね!!!




それから、わたしはある大きな決断をした。




「……本当に言っているのか?」




舞台の千秋楽が無事に終了した後の部活で、わたしは恭くんに付き添ってもらいながら部長に話をしに行った。




「はい。文化祭でやる演劇部のステージ、わたしも出演させてください」




どうしたって、わたしは演技が好きだ。

芸能界に戻るつもりはないけれど、戻らなくたって舞台に立つことはできる。




「ただものすごくわがままなんですけど……部長に、こういう台本を書いてもらいたくて……」





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