貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜

おまけ その後の二人(神山透は待てのできる犬)

会社員と言えども定期的に勉強なんかをしなければいけないときもある。

本日土曜日。せっかくの休みだと言うのに、社員研修とやらで出された事前課題をせっせと解いている私である。

グループミーティングで発表する、「働き方改革として、どうしたら残業を少なくできるのか?」という奇跡でも起きなきゃそんなの無理じゃね?と思うような事柄について有効な案を5つも書き出さなければならないのだ。

そもそも金曜日に資料を手渡されて、翌週月曜日には研修だなんて、週末使って課題をやれといってるようなものではないか。何が『働き方改革』だ。全く持って腹立たしい。

仕方がないのでデートの予定もキャンセルしようと神山透に連絡をしたところ、

「僕、大人しくしてますから、郁子さんちにお邪魔しちゃだめですか?」 

そう、神山透から返事があったのだった。

「その日は課題をやらないといけないので、お構いできませんよ?」と言ったのにも関わらず、
「もちろん、郁子さんは課題をして頂いて大丈夫ですよ。僕、ただ郁子さんのそばにいたいだけなんで。本当に、郁子さんのお邪魔だけはしませんから!」

神山透はキリリと忠犬宜しく力強くうなづくのだから、それじゃあ本当に本当になんのお構いもできませんからね?と言って、私のワンルームへと招待したのだった。

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