貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
「じゃあ、一緒にこのまま気持ち良くなっちゃいます?」

熱い吐息が耳に触れ、はい……と、頷きかけるが、いや、やっぱりダメだな。ここ、神山透の叔父さんちだな、と思い直す。
でも気持ち良くなりたいし、気持ち良くなってほしい……解決しない問題に、いよいよ顔がくしゃくしゃになる私に、神山透は魅惑的な微笑みを浮かべ、こう提案してきたのだった。

「山本さん、入れなきゃセーフですよ。ね?」

入れなきゃセーフ……?入れなきゃえっちにしたことにカウントされない?あれ?そういうもんだっけ??

いよいよ頭の回らない私には、神山透の甘言が素晴らしい提案(免罪符)に思えてくる。その言葉にそそのかされるように、お互いの気持ちのいい部分をくちゅくちゅ押し当てると、中に入りこそしないものの、結局あんあん言ってしまうのであった。

その後、

「入れなきゃセーフって、絶対そういう問題じゃないよなあ」

と、猛烈に落ち込むことになるのだが、その時の私は快感を追いかけるのにとにかく必死で、それどころではなかったことだけは、激しく強調しておきたいところである。
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