貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
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足の親指、人差し指、と一本ずつかわるがわる口に含んだ後、神山透は指から一旦口を離し、今度は指と指の間に舌を這わせて付け根をベロリと舐める。指を舐められてるだけなんだから、気持ちよくなんてないはず。

……気持ちよくなんてないはず、なんだけれども、普段閉じられているところを無理やり開かれ、舐め回され、挙げ句にチュパチュパという水音まで聞かされているとなんだかおかしな気持ちになってくる。
膝を折り曲げられ足先を舐め取られる一方で手の指は神山透の指に絡みとられていて、指と指の間に加わる僅かな力を感じる度に身悶えするような震えが走る。
傅いて舌を出し、足先を丁寧に舐め回わすイケメンという刺激的過ぎる視覚的効果も相まって、白旗寸前の私である。

「か、神山さん……神山さん、すみません、もう、無理ぃ」

されたことのないことをされ、気持ち良いのか良くないのかも判断つかないけれど、これ以上されたら、何か新しい扉が開いてしまう。
知りたいような知りたくないような感覚に襲われて、なぜだか涙が出てきて、声も震えてしまう。

このまま気持ち良くなってしまうのは、嫌だ。
気持ち良くなるなら一緒がいい、とべそべそ泣きながら訴えると、神山透はよしよしと私の頭を撫でた後にギュッと抱きしめてくる。

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