貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
ホテルの薄暗い照明と違って、朝日の中でまじまじと見る神山透の顔はまだ少し眠そう。
ピョコンと寝癖がついた髪、ちょっぴりヒゲも伸びていて、はて?これはイケメンと言って良いのか?といった風貌。
相手にとっては私もどっこいな様子なんだろうというのはさておき、気が抜けた隙だらけの雰囲気が新鮮で、なぜか妙に愛おしい。
甘い感情が胸に広がる一方では、こういった朝を何度も過ごしてきたであろう顔も知らない歴代の彼女達がなぜだか頭をよぎる。神山透を振ったとされる彼女達は、朝を迎えたこの瞬間一体何を感じていたのだろう。
満たされた気持ちでこの腕に抱かれていたのか、それとも……?

「神山さんて、今までの彼女とはどうして別れちゃったんですか?」
「えーなになに?山本さん、もしかして昔の彼女のこと、気になっちゃってます?」

相変わらずぎゅうぎゅうと抱きしめられながら、ついそんな質問を投げかけてみると神山透は一瞬ビックリした顔をした後に、ニヤニヤしなからこちらの顔を覗き込んでくる。

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