きみと繋げた雪明かり
***
「おはよ、凛子」
「おはよ!おっ、珍しく夜宵が余裕な時間に来てる!」
「なにその、いつもはギリギリに来るやつみたいな……」
珍しく早い時間に目が覚めていつもより余裕を持って準備することができた。
ひとまず昨日のことは忘れて、凛子と他愛もない世間話をしながら校門をくぐる。
そこまではよかった。今日の時間割最悪だね!とかそいえば梅センがさー…とか普通のいつも通りのことを話していた。
だけど、教室に入った瞬間。私の表情は凍りついてしまった。
「………え?」
思わず声がもれてしまった。
だけど、信じられない光景がそこには広がっていた。
「なっによこれ……!古典的ないじめ…!?それに夜宵の机に…」
凛子がそう言って声を荒げながら机の方に詰め寄る。
私の机はペンや色のついた文房具などで「偽善者」や「正義感強い痛いやつ」などと書かれていた。
一体誰が……と思ったけれど、よくよく考えてみると心当たりしかない。おそらくこれを書いたのは昨日の3人組が濃厚だろう。
だけど、まさか自分がこんなことに出くわすなんて、想像していなくて足が動かない。
何も考えられなくなってその場に立ち尽くしている私を置いて凛子は拭くものを探してくれている。
幸い、私たちは早い時間に来たからか周り他の生徒は全然いなくて誰にも見られなかった。