きみと繋げた雪明かり



「きゃっ……!!」



急になにかに足を引っ掛けてしまって、体が前に傾いていく。


周りには機材、打ちどころが悪かったら病院送りにされる。


体がスローモーションで傾いていって、地面にぶつかるとなったとき。



「おっと……」



とっさに私の体に手が添えられて、体がもとの体勢に戻っていった。


一瞬のうちに触れられて、心臓が飛び跳ねてしまいそうだった。


「……ごめん。当たっちゃったね」


「…ううん、こっちこそ。鈍臭くて」



助けてもらったのはいいけど、この前のもあって気まずい空気が流れていく。


目の前には岬木くんが申し訳なさそうに微笑んでいた。


その表情を見て、胸が痛んだ。


こんな顔をさせてしまったのは、私のせいだったって。やっぱり、私は最低だ。


「……それじゃ、再生お願い」


気づいたら岬木くんはビデオの方に移動していて、涼木さんの横に座っていた。



数メートル先にいるだけなのに、遠くて消えてしまいそうでなぜだか孤独な気分になってしまった。



……私はとんでもないことを始めてしまった。
< 184 / 206 >

この作品をシェア

pagetop