きみと繋げた雪明かり
ラスト




文化祭当日。



「星野さん!!こっちの機材どっちに?」


「そ、それは奥の方の丸2番と書いてあるところにお願いします!!」


「キャストのメイク終わりましたー!」


「不備ない?大丈夫?」


あちこちから聞こえる点検の声や最後の確認。


今は朝の8時なんだけれど、教室内はとても賑やかだった。


文化祭の始まりは9時からで、私たちは第一公演を9時半からすることにしたから、とにかく大忙し。


「文化祭始まるよー!一旦体育館に移動して!」


時刻を見ると、時計の針は8時45分を指していた。10分前には入場を済ませないといけないから、そろそろ行かなきゃ。


みんな、作業している手を名残惜しそうに止めて体育館の方に移動を始めた。



私も、今日は頑張らなきゃ……!!



***



「第一公演始まるよー!!」


「お客さんきてるからできるだけ静かに!」


「小道具準備オッケー?」



開会式が終わると、みんな教室まで走って移動していく。


あらかじめ大きな道具は体育館に全部運んでいたから、小さなものだけ持っていく。


「岬木くん!頑張って!!」


「岬木くんの王子様、絶対成功するよ!」


キャストがスタンバイしている中、何人かの女子が岬木くんの周りにいって励ましの言葉を送っていた。

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