きみと繋げた雪明かり
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「……そろそろ戻ろうかな」
そう思って、屋上の扉の方に向かって足を動かし始める。
だんだんと肌にあたる風が冷たくなってきて寒くなってきた。
流石に季節的にずっと外にいられるほどの気温じゃないから風邪を引いたら迷惑になってしまう。
屋上の扉を閉めて、階段を降りようとしたとき。
「うひっ……!?」
「……あはは、本当に鈍いね。夜宵ちゃんは」
急に何者かに手を引かれてすみに追いやられる。
暗くてよく顔は見えなかったかど、それが誰なのかは一発でわかった。
「透子さん……!?」
「うん、やっほ。絶賛の復讐日和だね」
透子さんは表情はにこやかでも目が笑っていないし、言ってることもこわすぎる。ふ、復讐日和……!?
一瞬、なんでここにいるのか疑いたくなったけど、そういえば今日は学校は一般の人も入れるようになっているのだった。
だとしても、なんで私がここにいるのがわかって……
「今日はさ、決着をつけたかった」
「決着……?」
「そ、結構衝撃なこと言っていい?実は私、凛子と血繋がってないんだ」
あまりにもさらっと言うから一瞬流しそうになったけど、よく考えてみると結構凄いことだった。
血が、繋がっていない……?