きみと繋げた雪明かり

期待




「はい、じゃあ定例会議をはじめます」




彼のその一言で場がきっ、と引き締まったのがわかるくらい真面目な声だった。



なんと、彼はさっきのものだけでは終わらず、この学校の取り仕切る生徒会の会長である。




それだけなら完璧な人、で終わるかもしれないが…




…たまに彼は謎すぎる。




この学校では、生徒会役員は会長が推薦する。というシステムだけど…



「じゃあ、この前出した案の総括を副会長…星野さん、お願いします」


「は、はい…」




………なんで彼は私を選んだんだ。




今年になるまで岬木くんとは関わったことなんてなかったし、それこそ天と地の差だった。



今年になって同じクラスになり半年、彼は生徒会役員の任命式にて、私を副会長として推薦した。



うん、正直言ってすごく驚いた。



だって校内で一番有名な人が自らの隣である副会長に私を選ぶんだから。




名前を呼ばれた瞬間、あの場の空気はざわついたし、冷たい視線を送る人もいたくらい真剣に岬木くんの横の座につきたい人もいたから、少し居心地も悪かったけれど…




これだけ言っておきたい。




…一番驚いたのは私なんだよ…!
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