きみと繋げた雪明かり
憂目

ばれました?



岬木くんと出かけてから1週間。


なんと、遊びに行ったときから翌日、風邪を引いてしまい長引いて1週間登校できないでいた。



一応久々の学校なんだけど…心配してくれる同級生もあんまりいないしね…



少し憂鬱な気分になりながらも校門に入る。



上靴に履き替えて、いつもの自分のクラスに行くまでの廊下を歩く………けど、



「ほら、あれだよ…光と…」


「地味なくせによくやるよね…」



……なんだかいつもより視線を感じるような。それに、光って岬木くんのことだよね…?



なんだかすれ違う人みんなにじろじろと見られ、私がなにかしたか、と疑問にもなるし少し気持ち悪い。



出来るだけ早めに歩いて教室に入ろうと扉を開けると、



「夜宵ちゃん…」


「杉田くん……?」



杉田くんが私の近くまで来たけれど、その顔はいつもの感じとは比較にならないくらい深刻そうで。杉田くんのそんな顔は見たことがなかったから、少し新鮮だった。



「……ごめん、来たところ悪いんだけどさ、ちょっと来て」


「え?ちょ、杉田くん…!?」



急いでどこかへ入る杉田くんの背中を必死に追いかける。
< 52 / 206 >

この作品をシェア

pagetop