有り ふれた 人生

お祝い 再び


佑未の妊娠生活は順調だった。

色んな憶測が······

佑未と旦那さんは、
仕事の関係で
別々に暮らしている
と、周りから。

まあ、旦那ではないが
丸っ切り嘘ではないので
そのままにしている。

靑からは、毎日電話が必ずある。

本当に
大事に大切にされている事は、
良くわかっている。

いずれ、靑と一緒に
生きて行く事も·····

でも今は、このままで。

先日、由季が、二人目を出産して
お祝いに帰った。

由季と大輝さんの二子は、
女の子で
西森 蒼空( そら )ちゃん。

本当にかわいい。
私が動くから靑が心配して
ついて回る。

蒼空ちゃんと合って
カフェで休憩していたら
「佑未?」
と、声をかけられた。

まあ、地元であるから致し方ないが
相手は、藤吾だった。

本当に、数回しか帰ってないのに
彼に合う確率が高いのは
なぜなんだろう?
と、思っていると
私の前に大きな壁ができた。

靑が前に立ちはだかったのだ。
「靑。大丈夫。」
と、言うと
靑が振り向き
私の顔を確認して前からどき
テーブルの椅子に腰掛けた。

「久しぶりですね?
変わりないですか?
と、言うか、少しマシになったわね?」
と、言うと
「佑未のおかげだよ。
お金も返したいと思っていたんだ。」
「いらないわ。
元は、貴方から頂いたお金だし。」
そこで、靑は、この人物が
私の夫であった人だとわかったみたいで
「佑未、紹介を。」
と、言ってきた。

ん?なんと言うかな?

「え〜っと、中山さん。
私の婚約者でお腹の子の父親の
髙山 靑さん。
靑、こちらは、中山 藤吾さん
私の元の
と、言っていると
靑は、名刺を出して
「髙山です。」
と、藤吾に渡していたが

藤吾は
「すみません。
名刺とか持っていなくて
歯科医をやっています
中山です。」
と、頭を下げた。

190センチの体にスーツを
着こなしている靑と。

前よりは良いが
よれた上着にアイロンもかかってない
パンツを履いている藤吾

藤吾は、私のお腹と私を交互に
見ているから
「今、8ヶ月後半なの。」
と、伝えた。
「·····おっ、おめでとう。」
と、言われて
「ありがとうございます。」
と、返すと
注文したものが来て
藤吾は、
「あっ、すまない。失礼するよ。」
と、言ってカフェを後にした。

その後に靑に
離婚後の中山さんについて話しをした。
お金の事も含んで。
隠し事は嫌だったから。

靑は、何も言わずに
話しを聞いてくれた。

翌日は、実奈と由季の所に行き
次の日に靑と富良野に戻った。

靑は、わざわざ仕事を北海道に
いれたのだ。

靑に無理をさせているのは
わかっているが
富良野を離れたくなかった。
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