有り ふれた 人生

婚姻 届


淳が小学校に上がる前に

「靑。これ。」
と、靑の前に書類を広げる。

その用紙を見つめて
見る見る破顔していく靑に

「ごめんね。遅くなって。」
と、言うと
私を抱き締めて
「あっ、ありがとう。
    必ず····幸せ···に····する。」
と、泣きながら言ってくれる靑。

 ❛ 婚姻届 ❜
私の欄は記入済み
承認欄は、私の父

靑の承認欄は、靑のお父さん。

振るえる手を抑えながら
靑は記入して
淳と三人で提出する。

私と淳は、
髙山 佑未
髙山 淳
と、なった。

名字は、どちらでも良かったが
❛ 髙山 ❜って、なんだか
かっこ良くない?と。
私は、気に入っていた。

どうなるかハラハラしていた
両親と陽平は、
とても喜んでくれた。

由季や実奈にも連絡をした。

アイダン医師にも連絡をすると
凄く喜んでくれて
淳を連れて遊びに行く
約束をさせられた。

泉先生ご夫妻も
すごく喜んでくれて
みんなにどれだけ心配させていたか
思い知る事に。

一人、藤吾君は、
「籍入れなかったら
まだ、見込みあったのに。」
と、言うから
「絶対に渡さない。」と、靑
「絶対にあり得ない。」と、私
二人で、同時に言って
三人で笑った。

藤吾君と笑って話せるように
なったのも靑と淳のおかげ。

私達は、富良野市で

いつまでも、幸せに

   暮らして行きました。



            完
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