コーンポタージュに一言添えて....。

こんにちは。七海学園高校。

 
    小さい頃から、あこがれだった場所がある。
   
    そこは、いつも笑顔があふれてる。
    
    なんだろう、この気持ち。
 
    なんだろう、このドキドキ...。
  
 


 「ママ、わたし...七海学園高校に入りたい!」
シングルマザーである私の母は、いつも忙しい。けれど、毎週日曜日の夜だけ必ず私の部屋にやって来る。そして、セブンオーシャンのゲームをする。これが、私たちの日課だ。今日もいつものように来た母に、私は言った。七海学園高校に入りたいと。
 すると、母はこう言った。「世界一の結婚....したいの?www」ちょっと馬鹿にしてきたから言い返してやった。
「そうよ!ママ!わたし結婚したいの」母はにやけて、やっぱり馬鹿にしている。「あなた...だって、恋愛経験ゼロじゃない?
今まで彼氏欲しいとか言ったことも無いのに、ホントに結婚したいって思ってる?本当の理由を教えてちょうだい?」
「私は...」
わたしは母の問いにどう答えればいいか迷った。
だって、セブンオーシャンの社長になりたいっていうのが本心だもん。小さい頃から憧れてた、セブンオーシャンのトップにたてる機会がある。だったら、挑戦するしかない。ゴールデンカップルになるしかない。世界一の結婚とか、本当は興味ないけど、チャンスがあるなら、出来るところまでやってみたい!
「ママ、わたしは世界一の結婚がしたい。これは噓じゃないよ。」
この時初めて母に噓をついた。なのに何も感じなかった。ただ、夢がかなうならそれでいいと思った。罪悪感なんてなかった。
 母は、少し笑って私を抱きしめた。「ごめんなさい。ママはね、あなたがそんなこと言うの信じられなかった。ただ、億万長者になりたいとでも思っているのなら、止めようと思ったのよ。そんなの相手の気持ちを傷つけるだけで、何も誇れるものはないからね。でもこれだけは約束して。パートナーがどんな人でも心から愛してあげること。分かった?そうすればきっと上手くいくからね?」わたしはとびきりの笑顔で噓をついた。「うん、約束する!」
 
 この時はまだ、噓が本当に変わってしまうなんて、思っていなかった。まさか、...恋をしてしまうなんて。








 そして春。わたしは無事にこの七海学園高校に入学した。それにしても、この学校は立派だ。めちゃくちゃ広い。ここは、男女2人部屋で寮生活を送る。だから自分の部屋に向かおうと思ったけど....完全に迷ったな。www って、笑い事じゃない!
どどど、どうしよう。よし誰かに聞こう!あ、いい感じの子ミッケ!
「すみません、あの206号室ってどこですか?迷ってしまって...」
「206ですか?私の部屋と隣ですね!一緒に行きましょうか?」
「ありがとうございます!」倉下さんか、いい人で良かった。
「ワクワクしますね。」
倉下さんが言った。確かにワクワクするなぁ。どんな人かな...?ってわたしったら!別にいいや、...誰だって。私の目的はそこじゃないもん...。あ、206。
「ついた!ありがとうございました倉下さん!」
「いえ、そんな!!!大したことじゃ...。では、頑張ってください、潮田さん!」
そして倉下さんと別れた。頑張ってか.....。よし!行こう!ガチャ....。
「こんにちは。」
誰もいない...?ま、とりあえず荷物を....。

 
 
 私の相手の人、全然来ない!何やってるのかな?おなかでもこわした?とか?(なわけないかw)

「ピンポンパンポーン!もうすぐ入学式が始まります。生徒の皆さんは体育館に移動してください。」

 行かないと!でも、結局わたしのパートナー来なかったな。体育館に行こう。あれ、何でだろう、ちょっと悲しいな。パートナーなんて、どうでもよかったはずなのに、.....。みんなが外でパートナーについて、盛り上がっている中、ひとりぼっち。何だか置いてきぼりにされたみたい。
 まぁ、私のパートナー...消えたわけじゃないし、入学式終わったら、どうせ会えるからいいか。私の目的は社長になること。
パートナーのことなんて、気にしてる場合じゃないよね?しっかりしないと。さて、外に出よう。
その時、誰か来た。

          「すみません、待たせましたか?」


もしかして、わたしの...パートナー?ようやく顔を見ることができたとき、わたしは驚いた。だって、凄く見覚えがあるか顔なんだもん。
    

             「のり....くん...?」





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