私と貴方の秘密の一年間

 その女子生徒は、今にも消えてしまいそうな、儚い目を浮かべていた。生気を感じないわけではない、黒ずんでいる訳でもない。ただ、儚い。
 まるで、女子生徒の瞳の中に、黒翡翠という黒い宝石が埋め込まれているようにも見える。

 闇ではない闇。

 この瞳、知ってる。この目を、俺は知っている。
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