私と貴方の秘密の一年間
「とうとう死んでしまったかと思って心臓口から出そうになったんですが、どうしてくれるんですか?」
「悪かったって……。だが、助かったわ」

 音楽準備室。ノックをして中に入ろうとしても返事はなかった。でも、鍵は開いていたから中に入ると、先生が床にうつ伏せに倒れていたからめっちゃビビった。

 お腹の音を鳴らしながら。

「これ、お前が作った弁当?」
「そうですよ。簡単に昨日の夜ご飯のあまり詰めただけですが。あとは、無難に卵焼きと肉団子です」

 私のお弁当を半分先生に渡した。最初は断られたけど、私が無理やり渡すと渋々食べてくれて幸せ。
 今はもう普通に食べてる、頬に米粒付いていて可愛いです。

「なんでお腹空かせていたんですか? ご飯は?」
「俺の身体が無意識に朝ご飯を食べてくれなかったから、今空腹で倒れた」
「意識的にご飯は食べましょう」
「…………めんどくさい」

 えぇ、そんな事言われても。

 見た感じ、食欲が無い訳ではなさそう。今は普通にご飯を食べてるし、胃がものを受け付けないってわけでもなさそだな。
 体調も、あんな所で寝ていたわりには元気そうだし。

「ごちそうさん」
「え、まだ残ってますよ?」
「ん」
「え?」

 まだ半分は残っている弁当箱を渡してきた、全部食べていいのに、なんで?
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