俺が、好きになっちゃダメ?
圭志side
「直原?」
直原 美雪。
直原は、ほんとに普通の女子。いつも挨拶はしっかりしているし、休み時間には女友達と仲良く話せているし、部活にも真剣だ。学校の規則も守っていて、スカートは膝下、真面目な生徒だと教師からも評価されている。
しかし、なぜか気になった行動が見られたのだ。
それは、今朝のこと。
「木嶋先輩、おはようございます」
「はよ、直原」
「あの、試合の時、女子の先輩と一緒にいましたよね? 毛利さんだっけ? 彼女さんですか?」
「いやいや、毛利はただのクラスメイトだよ」
俺は普通に答えたけど、なぜか直原の顔がその途端に明るくなったように見えた。
「そうだったんですか、仲良さそうだったから、つい勘違いしちゃいました」
「ま、まぁな」
「今は夏休みだし、全然毛利先輩と関わることはないですもんね」
直原は、俺のことをチラチラと伺いながら言った。
「あぁー、まあ自習室は行こうかなとか言ってたけど」
「そうなんですか! 真面目なんですね」
なんでここまで、直原が毛利に興味を抱いたのか、理解はできなかった。