甘く、溶けるように。
melt.1
芹沢くんの優しさと裏
「どう?少しは落ち着いた?」
「うん…」
さっきとは打って変わって、暖房のある暖かい室内にいた。
「えっと…ごめんね、芹沢くん。迷惑かけて」
「いいよ、このくらい。外でぶっ倒れられる方が嫌だから」
「ははは…」
うう…芹沢くんの優しさが身に染みるよ…。
私がボロボロな状態を救ってくれた、クラスメイトの芹沢くん。
2次元のキャラクター?と思うほどに整った顔立ちと、モデル顔負けのスタイルの良さ。
おまけに優しく親切で、全学年の女子たちからモテまくっている。
リア充の権化と言っても過言ではない。
そんな彼が私を助けてくれたのは、私がいた場所がアルバイト先の目の前だったからだそう。
店じまいをしようと外に出たとき、とても大丈夫とは言い難い状態の人を発見して、慌てて助けてくれたらしい。
今はもう泣き止んで、もらったあったかいココアを飲んでいるところ。
どうやら芹沢くんのアルバイト先はオシャレなカフェということで、ありがたくご馳走になっていた。
「芹沢くん、お店の後片付けしなくてもいいの…?」
私が来ちゃったから、お仕事出来なくなっちゃってるんじゃ…。