「君の最期の言葉を聞かせておくれ」
俺は死神。魂を狩る者。

「明日、君は死にます」

とある薄暗い部屋の中。薄暗い中、カチカチと音を立てながらパソコンをいじっている彼に向かって言う。

「……そう」

予想していた反応とは違う返答に、俺は「おや?」と首を傾げる。

俺が担当した人間は、全員泣き叫んだ。命乞いをする者もいた。

「死が怖くないのか?」

「うん。僕は、生きていたくないから……」

彼は、俺に背を向けたままそう返す。部屋の床に落ちているカッターや紐を見て、俺は彼が自殺志願者だということを察した。

「……君、死にたいのか」

冷静に問いかけてやれば、彼はやっと僕の方を向く。顔色は悪く、死んだ目をしている。まだ、俺が見たこともない表情だ。

「僕が生きていたって、迷惑なだけでしょ?」

ハイライトの入ってない黒い目が、俺を捉えた。俺は「さぁ、どうだか」と返す。

「……僕は、生きるのに疲れたんだ。皆、僕を見てくれない。褒めてもくれない……」

床に落ちていたカッターを拾って、彼はカッターを愛おしそうに見つめた。

「さらには、学校でいじめられて……夢をバカにされて……」

「…………お前は、それでいいのか?」

俺がそう言うと、彼は「え?」と俺を見る。
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