御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
部屋を見られたくないかもしれないから念の為確認する。


と、妃奈は


「それは大丈夫なんだけど…でも」


と言葉を濁らせた。


「ん?」


「凪くんに迷惑をかけるわけには…」


っっ、、ダメだ。妃奈にとっては無意識なその上目遣いが俺の心を破壊してくる。


可愛い。可愛すぎる。


俺にとって、妃奈のことで迷惑な事なんてひとつもないのに、罪悪感いっぱいの目で訴えてくる。


「取ってくる」


耐えていたものが切れる前に、一旦ここを離れよう。


そう思って、2階へ上がる。


だけど、妃奈を長い時間1人にさせておくなんて考えがある訳もなく、俺はスマホだけ取ると、すぐに妃奈の元に戻った。


「ありがとうっ、凪くんっ!」


妃奈に凪と呼ばれる度、自分の名前を好きだと思える。


俺を簡単に喜ばせられる妃奈はやっぱり流石だ。


嬉しそうにスマホを見つめる妃奈。


その中でふと、妃奈のスマホケースに写真が挟まれていることに気づく。
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