※エリート上司が溺愛する〈架空の〉妻は私です。
「紗良さん」
「あ……まだ安静にしていないと……」
「少しだけ……」
甘えるようなか細い声でねだられては紗良だって無下には断れない。
少しだけと言ったはずなのに静流は紗良に骨まで蕩けるような熱いキスをした。
それだけでは飽き足らずもぞもぞと着ているシャツがまくり上げられていく。
「これ以上はダメです……!!」
「紗良さん……」
静流はさも残念そうにいじけながら紗良を見つめた。
頭を打った静流は一週間程度、激しい運動が禁じられている。肌を重ねるなんてもってのほかだ。
「そんな目で見てもダメですってば。私だって我慢してるんですからね……!!」
紗良にとっても一週間の禁欲生活は辛い。静流と尊い夜を過ごし、その素晴らしさを身をもって知った今は尚更だった。
紗良の我慢が透けて見えたのか静流がクスクスと笑いだす。
「安静期間が終わったらたくさんしましょうね」
「はい……。お待ちしてます」
その約束通り、静流は安静期間が明けると紗良をベッドに連れ込み病み上がりとは思えぬほどの激しさで抱き潰した。