※エリート上司が溺愛する〈架空の〉妻は私です。

「今後ともよろしくお願いします」
「あ、いえ!!こちらこそよろしくお願いします」

 三つ指をついて頭を下げる静流をならうようにして紗良も頭を下げる。
 二人して頭を下げ合っていると、逆に愉快な気分になってくる。
 静流も同じことを思っていたようで、顔を上げ目が合うとどちらともなく笑みが溢れた。

「さあ、夕食にしましょう。定時で帰ってこられたので、張り切ってたくさん作ってしまいました」
「え、これ!?静流さんが作ってくれたんですか?」

 ダイニングテーブルの上には、買ってきたと言っても遜色ないほどの御馳走が並んでいた。

「男の一人暮らしも長いんです。これぐらいはできます」

 誰もが見惚れるほど整った顔立ちで、身長も高くて、エリートで、その上家事もできる。
 紗良は改めて静流のスペックの高さを思い知らされた。

 この先一体何が待ち受けているのか分からないが、腹が減っては戦はできぬ!

 紗良は静流の美味しい手料理に存分に舌鼓を打ったのだった。

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