Cherry Blossoms〜難解なカルテ〜
『そうだ。この任務が成功すれば……』

『俺たちは晴れてコードネームを貰えるってわけか!張り切らないとな!』

『ああ。爆弾は全部で四つだ。手分けして設置するぞ』

『わかってる』

嬉しそうに話す構成員と、冷静に話す構成員の声が聞こえてくる。データを聞き終えた後、至急、公安で会議が行われ、桜士がイオンモールへ潜入することになったのだ。

(爆弾は四つと言っていたな……。どこにあるんだ?)

キョロキョロと辺りを見回すも、それらしきものはまだ見当たらない。他の捜査員たちも探しているようだが、耳につけたインカムからは何も報告がない。

(外で大胆にもそんな話をするなんて、イタズラなのか?)

眼鏡屋と本屋を通り過ぎて行き、桜士は考えながら歩いて行く。深く考えれば考えるほど、わからなくなっていった。

(いくら平日とはいえ、人がいる中で爆弾を設置するなどリスクがありすぎる。夜のうちに忍び込むのはさらにリスクがあるしな……)
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