チャット恋愛注意報!! 〜フジヤマ過去編〜


『高校生ルーム8』に居るのは「YUKI」ただ一人。

ログを見ると、どうやらついさっき入室したばかりらしい。

「誰か居ないー?」という書き込みのあとは、一言も発していない。


……あれから約6年。

さすがに諦めモードに入ってた俺は、「YUKI」という名前を見ても 特に大きく反応することはなかった。

どうせ別人だろ、って。

今日限りのやり取りで終わるだろ、って。


それでも、ユキという名前の人と出会った時の第一声はいつもこうだった。



 ────


 フジヤマ>もしかして俺の知ってるユキ?


 ────



違うんだろうな、って思いながらも、心のどこかでは「そうだよ」って言って欲しかった。

「久しぶりだね!」って笑って欲しかった。

でも……やっぱり答えはいつも同じ。



 ────


 YUKI>初めましてだよー


 ────



うん。

わかりきってたことだ。

やっぱり俺の知ってるユキじゃない。


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