君の見ていた空
 下僕共には、自分達が獄門組に僕を紹介するから、くれぐれも1人で獄門組の屋敷に行かないように言われていたが、僕は待っていられなかったので、1人で行くことにした。

 獄門組の屋敷に辿り着くまでには、中々面白いトラップがあったが良い準備運動になった。
 最近、体を動かしていなかったので、ちょっと楽しかった。

 獄門組の若頭は、話の分かる人物で、僕の事を全面的に協力してくれるようだ。

 何故か僕の顔をキラッキラした顔で見てきて、僕の信者になるらしい。
 僕の顔は、もしかしたら、姉並みに良いのかもしれない。なんだか熱に浮かされたような眼差しを感じる。

 僕の下僕共も僕の顔はお気に入りのような気がするし、この際だから開き直って、自分の顔は良い物だと思う事にしよう。
 そして、姉が目覚めた時には、僕はもう姉から離れない。姉の友人に遠慮して距離を置くのではなく、ベッタベタのゼロ距離で恋人同士のように思われよう。姉に最愛の恋人ができるまで僕が恋人モドキになっておいて、姉に彼氏もしくは旦那ができたら僕はペットもしくは弟になっておこう。

 ついでに、獄門組の力を借りて、姉や両親の身の回りはガッチリ守ってもらおう。僕はちゃんと獄門組のアドバイザー的な立ち位置を手に入れて、獄門組と姉と両親以外の人間は全てゴミ、もしくは、下僕として扱おう。

 優しさや親切心なんて、何の為にもならないんだから。

 僕は、凪沙ちゃんとずーっとずーっと笑って過ごしていけるように、沢山努力するから、どうか、凪沙ちゃんが目を覚ましますように。
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