大江戸ガーディアンズ

「島村の旦那が此処にいなさるんだ。
……ね、旦那、『娼方』の妓とは一緒に見世を出たんでやんしょ」

与太が島村を見た。

「いや、そもそも今日は一度も姿を見ておらぬぞ」


——な、な、なんだってぇ……


「お、おいっ、どういうことでいっ」

与太は炎の上がる久喜萬字屋を見た。

火元の見られる二階はもうだめだ。


あの燃え盛る建物の中に、おすてがいる——

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