大江戸ガーディアンズ

広次郎の叔父で、今は養子先の父だ。

だが、美鶴が吉原から攫われるように移されたのが、何故(なぜ)か勘解由の屋敷であった。

そして、兵馬との祝言の折に美鶴側の「身内」としてただ一人、席に座した。


(たわ)け者、水も被らずに火事場に入ってくる奴がいるか。
おまえの先に入って行った御用聞きの小僧の方が、心得ておるぞ。
まぁ、あれは鳶の火消しらしいがな」

いきなり叱られてしまった。

「着物があと二枚いる。急げ」

美鶴は慌てて二枚脱いだ。


すると勘解由は、そのうちの一枚で美鶴を前も見えないほどすっぽりと包んだ。

そのあと、我が身の濡れた黒羽織を被せる。


「裏の方はかろうじてまだ通れる道があったゆえ……
されど、もうかような危ない真似はするなよ」

また、叱られてしまった。


勘解由は残りの一枚をすっぽりと被った。

意を決し、我が身を盾にして美鶴を(まも)りながら、火の中に隙間を見つけては進んでいった。

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