大江戸ガーディアンズ
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「当家と同じく御公儀より禄をいただく松波家を、しかも母上の縁続きの御家であるにもかかわらず、さような呼び名で(さげす)むとは……」

主税の切れ長の鋭い目が、血を分けた母親に容赦なく向けられた。

そもそも、()の大江戸の町の人々が日々恙無(つづがな)く暮らしを立てて行けるのは、ひとえに松波家のような吟味方や同心支配役を賜る「不浄役人」たちが、朝から晩まで市井を泥臭く駆けずり回って安寧を保っているがゆえなのだ。

まさに「江戸の番人」であった。


「——不届千万、武家の風上にも置けぬ」

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