君がいなくなった世界

ありがとう、ごめんね

「おはよう」

次の日、教室に入ると茜が心配そうな顔で話しかけてくれた。

「おはよ。ねぇもも大丈夫?目、すごい腫れてるしクマもすごいよ」

やっぱり……。

昨日も夜遅くまで眠れなかった。

電話をかけて泣いて、目を閉じると翼の笑顔がまぶたの裏に写ってその度に泣いて。

結局睡眠時間は二時間ちょっとだった。

ふと翼の席を見ると、菊の花が透明な花瓶に入っていた。
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