殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
ブラッドがノーマンと言う執事に声をかけた。
 (ブラッド)は私に遠慮がないよね……


「はい、ブラッド様。失礼ながら王太子殿下、私はお嬢様が幼い頃からお世話をさせていただいております」

 あぁ、確かによく見る顔だ。カテリーナがこの男とよくいるのは知っている。カテリーナはこいつといると楽しそうなんだよな……

 怒ったり笑ったり、私にはそんな顔を見せない。

「そうだね、よく見る顔だ」


「光栄でございます。お嬢様は我が主人として、たった一人のお方です、お嬢様が王太子殿下に嫁ぎましても、お側にいることをお許しください」

 正直言って嫌だ、でもカテリーナはそれを望んでいるのか?

「僕からもお願いします。ノーマンが付いてこないって分かったら、リーナが悲しむと思います。リーナの為ですよ」

 ブラッドまでこいつを推すのか!


「ひとつ聞くが、カテリーナとどう言う関係だ?」


「一言で言いますと主従関係。でございます。ですがお嬢様がお生まれになった時から、私の主人はお嬢様のみ、それだけです」

「……もしカテリーナの身になにかあったら、お前は命を惜しまないか?何があってもカテリーナだけは助かるように、手を尽くせるか? もし私とカテリーナ二人とも危険な目に遭ったら、カテリーナだけは助けられるか?」


「お嬢様が助かるのならば喜んでこの命を捧げましょう、貴方を見殺しにしても私はお嬢様をお守りします」

 随分とあっさり命をかけるんだな、私を見殺しにしても良いだなんて……それ、他所で言うなよ。
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