また、君と笑顔で会える日まで。
「そうだけど。えっ、あなたはぁ?」

リリカちゃんのお母さんは驚いたように瞬きを繰り返すと、相当酔っているのか私のことをトロンっとした目で見つめた。

「初めまして。リリカちゃんと同じクラスの青木萌奈です。リリカちゃん、家にいますか……?」
「リリカ〜?知らないけど、家にはいないと思うよ。ねぇ、たっくん?」
「さぁ?知らねぇな」

男は面倒くさそうに答えると「先行ってるぞ」と吐き捨てるように言って私を一瞥すると階段をあがって言ってしまった。
ゾッとするように冷たい口調と鋭い目付きにたじろぐ。
リリカちゃんはこの男に暴力を振るわれているんだろうか。こんな大男に……。

「バイトいってるんじゃないかな〜。あの子のことはちょっと分からないの」

娘が家に帰ってきているのかも把握していない様子の母親はおばさんの言う通りネグレクトなのかもしれない。

「あの、わたし……今日どうしてもリリカちゃんに会いたくて。でも連絡取れなくて……」
「学校であったんじゃないの?」
「えっと……それは……」

リリカちゃんが謹慎になったという話をここですべきでは無いと思った。
黙っている私にリリカちゃんのお母さんは「そういえば、学校から何回も電話あったなぁ〜」と他人事のように呟いた。
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