隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
 アルベティーナの実の母親は亡くなったと聞かされたが、父親のことはアンヌッカもよくわからないと言っていた。
 母親が亡くなった後、ミサンジウダに帰されずあそこで暮らし続けていたのは、何かから隠すためであったとしたら。ヘドマン伯夫妻がアルベティーナのことを引き取ったことも。
 全てはマルグレットから隠すためだったとしたら、辻褄が合うような気がしてきた。
 マルグレットでは前王派と現王派での派閥争いがあるとも言われている。
 ここで前王の隠し子と思われるアルベティーナが出てきたらどうなるのか。
 アルベティーナは目の前のイリダルを睨みつけることしかできなかった。
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